命を守る防災対策について 前編

2024/06/03

災害への備えと意識


能登半島地震から五カ月以上が経過しても、今もなお、被災者の方々は避難所生活での暮らしを余儀なくされております。
東京都に暮らす私たちは今回の能登半島地震を含め、これまでの大規模な地震を対岸の火事として捉えるのではなく、地震大国で暮らす以上、一人ひとりが大規模な地震に対する心構えや知識と備えが大切です。
防災対策にはもう十分とか絶対大丈夫というものはありません。想像力を高め、その被害をできるだけ少なくするための必要な対策を講じることがとても重要であると考えます。

個人の安全対策


第一に「自分の身は自分で守る」絶対に怪我をしない命を守ることです。地震による犠牲者の多くは、地震発生直後の建物倒壊や家具の転倒によるものです。
地震が発生すると、家具等の転倒や家屋の倒壊により下敷きになって、ケガをしたり命が失われたりすることがあります。平時ならまだしも大規模な地震発生直後はすべてが混乱状況にあるため、怪我をしても、まともな治療が受けられるとは限りません。
そのため、家具は必ず倒れるものと考えて家具転倒防止器具等を取り付けておくこと、家屋の耐震化を講じておくことが自分自身、または家族の命を守るために一番重要であると考えます。

避難生活への備蓄と準備


第二に重要なのが食料や水、簡易トイレ等、避難生活をおくるための備蓄です。大規模な地震発生後は、電気・ガス・水道等の生活インフラがすべて止まると考えたほうが良いと思います。
さらには道路の寸断などにより支援活動が満足にできないため、緊急物資の輸送が困難になり、しばらくは公的な支援が滞ることが想定されます。そのため、公的な救助や支援が受けられるまでの必要な物資は各家庭で蓄えておきたいものです。
おおよその目安ですが、非常食(3食/一日)、飲料水(3ℓ/一日)、非常用トイレ(7回分/一日)×家族人数分を最低3日分、出来れば7日分を備蓄していたほうが良いと思います。
その他、ヘッドライト、ラジオ、カセットコンロ、充電器、給水袋等々、各ご家庭で今一度、再点検されることをおすすめ致します。