防災ヘルメットの必要性

2019/08/31

目次

  • 防災に打ち込む動機
  • 現在、防災ヘルメットの導入を目指している
  • 防災ヘルメットの導入への課題

防災に打ち込む動機

私は、2011年・東日本大震災という、大規模な災害の年に議員になった。

単純だが、これが非常に強い動機となって、荒川区の防災対策を自らの議員活動としての最重要課題と位置付けている。

今期3期目も、引き続き防災に注力していきたいと考えている。

防災に対する、私の基本的な考えは以前の記事で書いた。 

防災とは文字通りの災害を防ぐ取り組みと、いざ、災害が起きてしまった時に被害を抑える取り組みに分けられるが、いずれもそもそも防災意識の高さが取り組みの積極さに反映する。

東日本の震災以降、特に防災意識は全体として高まってはいるが、その具体的な対策には温度差があると感じている。

これはある面で当然のことで、対策に消極的な事を即座に非難するつもりはない。
と言うのも、防災とはそもそも「備え」であり、多くの予算が掛かるにも関わらず、「無駄になった方が喜ばしい」という矛盾を内包する課題であり、「備え」に注力するあまり、行政や区民の日常的な営みやその向上が滞ってしまうのもまた問題で、両者のバランスと優先順位という現実的な判断で取り組まなくてはならない。

また、どんなにやっても「十分」にはなり得ないという、答えも終わりも見えないのが「防災」という取り組みの悩ましい点でもある。

そんな中でも、かつての辛い経験から目を逸らさず、冷静に災害を分析し、答えを出そうとしてきた防災に関わる方々が作ってきたガイドラインを軽視せず、一定の備えはきちんとしていきたいと思っている。

特に社会の財産ともいうべき子供たちの命を守る備えに関しては、優先順位を上げるべく、声を大きくしていきたい。

防災の中でも、子供たちの命を守る備えに関しては、最優先させたいと考えている。

現在、防災ヘルメットの導入を目指している

現在、小・中学校でも児童生徒の防災意識を高めるべく、様々な試みが行われている。
 

事実、防災においては、個々人の防災意識、自分の安全を自分で守る意識の重要性は大きい。

このような試みは大変意義が大きいと思う。


しかし、当然だが、その防災に対して有効なツールというものも存在し、これを積極的に取り入れることは、防災意識の育成とは別に、やはり必要なことだと考えている。


現在、小学校には災害時に頭部を保護するためのツールとして、「防災頭巾」が児童各自の負担で準備されている。


さて、この「防災頭巾」はどこまで有効なのか?


私はこの「防災頭巾」の有効性を心許なく感じている。
というのも、そもそもこの「防災頭巾」、その有効性が検証された防災ツールなのであろうか?

無いよりはマシであろうとは思う。

しかし、どのような状況下でどのような効果が期待できるのかが実験・検証されていないものを準備して、それをもって「防災」と呼ぶことにいささかの抵抗があるのだ。

準備するのであれば、きちんと有効なものを準備すべきだと考えている。


そこで私が提案してきているのが、頭上の障害物や落下物に対して有効な「防災ヘルメット」だ。

この有効性に関しては、この場で改めて説明する必要も無いと思う。

事実、有効性に関しては過去の会議でも、問題になっていないどころか、行政側の担当者も認めている。


しかし、「防災ヘルメットの導入」は、未だに実現していない。

 

防災ヘルメットの導入への課題

この課題が、私の中で未だにはっきりとしないのが、一番の問題なのだ.

「課題が見えないのが課題」という、少し情けない状況になっている。


と言うのも、会議での行政側の指摘は、「すぐに取り出せない」「常に携帯しているわけではない」等で、つまり導入しても有効に使えないという回答なのだ。 

詳しい会議の内容は

[荒川区議会HP・会議録/平成27年 予算に関する特別委員会 03月09日-08号 18P~]

を参照されたい。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/arakawa/MinuteView.html?council_id=126&schedule_id=9&is_search=true&minute_id=84
参考
議会議事録

だが、おかしな話だ。

であるならば、なぜ防災頭巾はあるのだろう。

防災頭巾であっても、その点は同じはずなのだから。

設置場所に関しても、すでに導入している他区を参考にして、防災頭巾並みには、すぐに取り出せるし、常に近くに置いておく方法はあるはずだ。

私の考えすぎかもしれないが、何か他に導入を躊躇する理由があるような感触であった。

例えばもしかしたら、導入したヘルメットの管理が、私が考えるよりずっと、現場の教員の負担になったりするのだろうか。

確かに、今や教員の負担の大きさは、ほとんど社会問題のレベルで問題になってきており、この負担の軽減も勘案しなければならない要素の一つだ。

どういった点が、どのように負担になると想定しているのか、これは実際の現場を知る人間、現場にいる人間でなければわからないことも多い。


これは本当にただの仮定というか、想像の話に過ぎない。

だが、もし本当に他に導入を見送るべき理由をお持ちなのであれば、是非会議で俎上にあげていただきたい。

会議であげづらい理由であれば、直接竹内に言っていただいても構わない。


繰り返しになるが、理想だけではなく、現実レベルでの妥当性の検討こそが、防災に関する施策の重要なポイントであると考えている。