荒川サイクリングロードを走ってみる②

2020/12/14

目次

  • 荒川サイクリングロードを上流へ
  • 予定コース
  • 往路
    • 8:10 足立小台駅スタート
    • 8:30 岩淵水門
    • 8:40 JR東北線荒川橋梁
    • 8:50 荒川戸田橋緑地サッカー場
    • 9:30 朝霞水門
    • 10:00 秋ヶ瀬公園
    • 10:30 荒川自転車道
    • 10:50 国道16号上江橋付近
    • 11:50 榎本牧場
  • 昼食とデザート
  • 復路
    • 13:20 出発
    • 13:40 スーパー堤防を降りる
    • 14:00 荒川自転車道
    • 14:50 彩湖
    • 15:05 荒川温排水
    • 15:50 新荒川大橋
    • 16:20 足立小台駅ゴール
  • 荒川サイクリングロードを(上流へ)走ってみて
    • サイクリングロードは分かりやすく繋がっていて欲しい
 

荒川サイクリングロードを上流へ

前回、荒川サイクリングロードを下流に向かって走ってみました。


今回は、荒川を上流に向かってサイクリングしてみました。


少し自転車に乗るのが楽しくなってきました。


そこで、荒サイのサイクリストたちに評判のジェラートを食べに、埼玉県上尾市の『榎本牧場』を目指そうと思います。


なんだか当初の自転車施策のリサーチから離れて、個人的な趣味の要素が強くなってきた感は否めませんが、より深く自転車利用者の世界に踏み入っていきたいと思います。

予定コース

前回同様、足立小台駅をスタートにします。
 

足立小台駅より上流は、下流よりいっそう右岸・左岸とも、工事等でサイクリングロードが不規則に分断していると言う情報を見かけます。


ただでさえ荒川に対して多くの支流が合流していて、河川沿いの道が頻繁に分岐するため、事前に予定していたコースを順調に進めないだろうことが予想されます。


取り敢えずの予定としては、Googleマップのサジェストに従い、荒川右岸を北上し、県道56号『治水橋』で左岸に渡り、埼玉県の管理するサイクリングロード『荒川自転車道』を進んでゴールの『榎本牧場』を目指す事とします。


往復で約80kmの行程になります。

往路

8:10 足立小台駅スタート

この日は10月の下旬。
 

前回とは打って変わって、暑くも寒くもない、爽やかなサイクリング日和です。
 

走行距離は前回のおよそ倍の約80kmです。
 

出来れば暗くなる前に帰ってきたいので、少し早めに足立小台駅を出発します。
 

前回同様、のんびり平均16km/hで行けば、走行時間は2時間30分で目的地に到着できるはずです。


休憩を考慮して、ざっくり片道3時間位と見込んでいます。


さあ、果たしてどうなるでしょうか?

8:30 岩淵水門

感覚としては、まだまだスタートしたばかりですが、最初のランドマーク『岩淵水門』を通過します。

以前、荒川区の避難勧告の基準について書いた記事で触れた事があります。
 

台風や大雨などの水害の警戒時、荒川区はこの『岩淵水門』の水位を参照して警戒レベルが発令されます。

8:40 JR東北線荒川橋梁

ここもまた、荒川区の防災に大きく関わる箇所です。

実は、荒川区における水害の最大のリスクが、荒川堤防のこの箇所の決壊となります。
 

現在、当該箇所の嵩上げ工事が進んでいました。

8:50 荒川戸田橋緑地サッカー場

水飲み場を見つけたので、早いですが小休止です。

水筒とペットボトルを満タンにし、すぐに出発します。


前回の教訓で、「ある程度走り続けている方がラク」と言うのがあったので、ここからは相変わらずのんびりとですが、しばらく休憩を挟まずに進みたいと思います。

9:30 朝霞水門

休憩を挟まずにと言ったそばから・・・。

『朝霞水門』を過ぎた辺りで遠くに富士山が見えて思わず止まってしまいました。

この『朝霞水門』から先『治水橋』まで右岸を行くつもりでしたが、昨年の台風19号の復旧工事が頻発し、右岸が進みづらくなってきました。
 

志木街道(県道79号)を渡ったところで、何度かの行き止まりを経て、思い切って右岸を諦めることにしました。
 

秋ヶ瀬橋まで引き返し、左岸へ。

10:00 秋ヶ瀬公園

秋ヶ瀬橋は渡りきると荒川からはかなり離れてしまいました。
 

荒川沿いに戻ろうとしましたが、堤防へ登るルートが見当たらず、荒川沿い堤内をしばらく行くと『秋ヶ瀬公園』内を走っていました。


サイクリングロードからは外れてしまったのでしょうか。


ここで一旦トイレ休憩にします。


『秋ヶ瀬公園』はトイレや水飲み場など綺麗ではあるのですが、なんと言ったらいいか、都内ではあまり見かけない「管理され過ぎていない」公園で、無造作に雑木林や空き地やグラウンドが広がっています。

今は予定ルートから外れた「迷子」の途中。
 

時間が見えない中であまりゆっくり止まるわけにはいかないので、トイレだけすましてすぐ出発の予定でした。
 

が、あまりにも気持ちの良い公園で、ついつい予定より長居してしまいました。

10:30 荒川自転車道

『秋ヶ瀬公園』を抜けると再び川沿いから道が離れていきますが、なんとか荒川沿いに戻ろうと進路を取りながら走っていきます。
 

すると、チラホラと『荒川自転車道』の標識が見え出しました。


いつの間にか『荒川自転車道』を走っていたようです。


『荒川自転車道』はスーパー堤防上のルートだと思っていたのですが、一部区間はそれ以外も通っているようです。

10:50 国道16号上江橋付近

結局、『西遊馬公園』に入った辺りでスーパー堤防上の『荒川自転車道』に登らされると間もなく国道16号にぶつかります。

16号を渡ってからが大変でした。

スーパー堤防を降りた感覚はないのにいつの間にか平地を走っています。
 

頭の中が「???」の状態ですが、合言葉は「荒川沿いへ!」です。


なんとか荒川沿いの堤防に辿り着きました。


記憶では、16号を渡った後は、荒川沿いの堤防が『荒川自転車道』だったはずです。


そして『荒川自転車道』の先に『榎本牧場』はあるはずなのです。


ここからは今度は『(おそらく)荒川自転車道』に工事が頻発します。


堤防に上がっては行き止まり迂回、また堤防に上がっては行き止まり迂回を繰り返し、どこを通っているのか分からなくなりながらも、迂回のたびに再び荒川沿いに出ようとして走り続けました。


おそらく相当迷走していたと思います。


途中、清掃工場らしき施設に出た記憶がありますが、定かではありません。

『リバーサイドフェニックスゴルフ場』辺りで、何度目かの荒川との再会。

11:50 榎本牧場

道を見失っていたせいで、大幅に予定時間をオーバーして目的地につきました。
 

『榎本牧場』です。

特に国道16号を渡ってから、大幅に時間が掛かったため、昼食をとってから『榎本牧場』に到着の方がスケジュールとしてはよかったんだと思います。
 

が、迷子の不安感から、取り敢えず目的地を確認して安心したかったんです。
 

目的地に無事着いてホッとしました。
 

土地勘の乏しい場所で、走るべき道が定まっていないというのはかなり消耗します。

昼食とデザート

復路を考えて、昼食は「さっぱりしたものを」と、お蕎麦にしました。

普通のつゆと大根おろしのつゆの「二味そば」を頂きました。

おろしのつゆは、結構辛い。
 

天ぷらも美味しそうだったので、自転車でなければもっとガッツリ食べたかったです。
 

食後はいよいよ今回の目的、『榎本牧場』のジェラートを。
 

ところが、ぼんやりしていて、気が付けばジェラートではなくアイスクリームを注文していました。
 

完全に迷子によるダメージです。

でもいいんです、美味しかったんだから!
 

期待を裏切らない「これぞ牧場のアイスクリーム!」と言った感じの香りの濃厚さに比べて、味はやや淡白というか、かなりサッパリしていて、不思議なバランスです。


やっぱりこれがジェラートで合ってたのかな・・・?


食べた後は食休みがてら牧場内を見て回りました。

復路

13:20 出発

当初の予定では、往路で荒川右岸、復路で荒川左岸を中心に行程を考えていましたが、往路で予定よりかなり早く左岸に渡ったため、相当の距離を重複することになります。
 

とは言え、往路後半の迷走の轍を踏むつもりはないので、しばらくは一般道を走ることにしました。


Googleマップで上尾丸山公園から一本で16号まで出られるルートを見つけました。


16号からは往路と同じルートを戻ります。

13:40 スーパー堤防を降りる

写真だと高低差が分かりにくいですが、この坂を下って再び『西遊馬公園』に入ります。


一般道を走ったこともあって、往路の3分の1以下の時間でここまで戻ってしまいました。


午後の一番気温の高い時間帯ですが、非常に爽やかで気持ちの良い空気です。


疲れてきてはいますが、この気候にかなり助けられています。

14:00 荒川自転車道

今回、予定ルートを外れたことで思いがけず出会えた素敵な道。

両側から覆いかぶさるように続く竹林のトンネルは雰囲気満点です。

14:50 彩湖

往路同様、『秋ヶ瀬公園』で小休止の後、今度は秋ヶ瀬橋を渡らず、そのまま左岸をいくとすぐに彩湖に出ます。

荒川と彩湖の間には堤防があり、その上を道が通っているようです。

そこを下っていくことにします。

荒川左岸と彩湖との中洲にあたる部分は、ほとんど通行する人と出会わず快適ですが、この人通りの無さは嫌な予感がします。

15:05 荒川温排水

予感的中です。
 

中洲の終端、彩湖と荒川の合流地点の付近で砂利道になってしまいました。


前回もそうでしたが、やはり中洲は闇雲に行ってはいけませんね。


どん詰まりなのが中洲なんですから、ちゃんと脱出の見通しをつけておかないと。

疲労の中、砂利道の突き上げは堪えます。

15:50 新荒川大橋

砂利道以降、順調に左岸を下ってきましたが、この『新荒川大橋』でルートが橋に沿うように曲がります。
 

Googleマップで見る限り、このまま左岸を行っても問題なさそうですが、陽も陰ってきて疲労も極まってきています。


もはや、工事で迂回でもあったらと考えると億劫です。


安全策をとって、ここで橋を渡り、これより下流に工事の無かった右岸に戻ることにしました。

16:20 足立小台駅ゴール

80km走破!

私ののんびりサイクリングとしては、日帰りだとこのくらいの距離が最長だと思います。

当初の思惑通り、日が暮れる前にゴールできました。

翌日まで疲れは引きずりましたが、仕事にならないほどのダメージでも無かったため、このくらいの距離ならば、また走ってみてもいいかなという気にもなりました。

荒川サイクリングロードを(上流へ)走ってみて

サイクリングロードは分かりやすく繋がっていて欲しい

今回、かなり予定外の行程を走ることとなりました。


要因として、

  • 不測の工事による通行止め
  • 地図情報としてのサイクリングロードが分かりづらい
  • 実地でもサイクリングロードが分かりづらい


などがあげられると思います。


この中で、走ってみて初めて思い知ったのが、3つ目の「実地でもサイクリングロードが分かりづらい」です。


本来サイクリングロードとして位置付けられているわけではない『荒サイ』下流はいざ知らず、『荒サイ』上流・『荒川自転車道』の工事による迂回や、分岐点での連絡の分かりづらさは予想外でした。


実際走ってみた後でさえも、結局あの道はどこからどこまでが『荒サイ』だったのか、あれは本当に『荒川自転車道』だったのか、いまいち確信が持てません。


堤防上をメインとして設定されるサイクリングロードは特に、その性質上、工事による通行止めは避けられないのかも知れません。


しかし、『自転車活用推進法』の施行以来、自転車施策は各自治体の課題ですし、サイクリングロードの整備もその一環として行われているのであれば、もう少し気の利いた物でないとヤッツケ仕事の誹りは免れないと思います。


おそらく多くの場合、「サイクリングロード(自転車道)」は、歩行者の進入を規制した「自転車専用道路」ではありません。


「自転車歩行者専用道路」です。


歩行者と自転車の通行がある場合、その交通の安全に対しては、強者である自転車側の責任は大きいのは当然だと思います。


責任の大きい自転車が、その意識をきちんと安全に対して向けるために、道の行き先(道案内)に向ける意識は出来るだけ軽減させるようにインフラ側が整っているべきだと思います。


その効果は、決して少なくはないはずです。

今回、結果的に事故はありませんでしたが、正直「こういう時に事故って起こるんじゃないのかな?」と不安な場面が非常に多かった印象です。


分岐や連絡を見誤ったり、工事による迂回のたびに、サイクリングロードから外れます。


するとしばしば、普段自転車の通らないような細い道に出くわします。


そんな道では、自転車は非常に疲れます。


というのも、サイクリングロードであれば、通行している歩行者も自転車の通行を想定してくれています。


ですが、一般の細い道は車通りも少ないですし、歩行者も周囲への注意は散漫になりがちです。


当然、自転車はいつも以上に、細心の注意を払って通行します。


それが、土地勘の無い場所で、尚且つ元のルートに復帰する道を探しながらとなると、非常に消耗しますし、とてもサイクリングを楽しめる状況ではありません。


疲れてくれば段々注意力も低下してしまいますし、結果、事故の危険性は高まります。
(もちろん、そうならない様に、自転車側の責任で適時休憩をとるべきなのですが、休憩場所の確保もままならないのも迂回路なので。)


なので、サイクリングロードは途切れない様、意図せず道を外れない様に管理されていないと、そもそもサイクリングが成立しないという状況に陥ってしまいます。


我が荒川区でも、自転車推進施策に関して、まだまだ模索中の段階ではあります。

「自転車活用の推進」は既定路線ですが、単に名前だけ付けて、サイクリングロードを設定したところで、混乱や危険は回避できないどころか、むしろ誘発しかねません。


自転車の活用を推進するからには、特に安全面において、自転車が歩行者・自動車・オートバイ等、他の交通手段と無理矛盾無く共存できるよう、ルールなりシステムなりインフラなりを整える施策を打ち出して行かなくてはならないと感じました。